日本旅館国際女将会(長坂正惠会長)は2日、12月定例会を東京都千代田区の学士会館で開いた。2020年度はコロナ禍の中、3月定例会、6月総会、9月定例会を全て中止し、総会のみ書面で実施。今回が初のリアル開催となった。
感染拡大予防のため、全員がマスクとフェイスシールドを着用し、隣席との間にはアクリルの仕切り版を立てて会合を行った。会合では、コロナ禍の中での旅館経営について、各自が行ってきたこと、感じたことを発表。情報交換、意見交換の場とした。
GoToトラベルについては、「チェックイン時の本人確認でトラブルが発生するケースがある」「露天風呂付き客室から売れていく。キャンセルが出てもすぐに新しい予約が入る」「新しい客層の予約が入るようになった」などの報告があった。
また「GoTo効果で急に予約で埋まり、現場スタッフの人員配置が追い付かない。現在のメンバーがフル稼働で対応している」「人手が足りないので、学生や主婦にも裏方の仕事をお願いしている」「2月以降の予約が少なく不安」といった発表もあり、GoToトラベルの効果が絶大である半面、現場対応が追い付いていない現状や、GoToトラベル終了後の旅行需要喚起策が不十分である現実が浮き彫りとなった。バイキング料理の提供時における、衛生管理面や人的コスト面での悩みや解決方法についても、各宿の手法を紹介しあった。
学士会館は、1928年に建築された由緒ある重厚な建物で、国の登録有形文化財に指定されている。数々のドラマや映画のロケ地としても知られ、今回の会合を行った201号室では、テレビドラマ「半沢直樹」の中で、東京中央銀行の役員会で香川照之さんが演じる大和田常務が、堺雅人さんが演じる半沢直樹に土下座する有名なシーンが撮影された。
人気ドラマのロケ地を会場に