日本温泉協会、「温泉文化」シンポジウム開催 秋保、下呂、道後が登壇し温泉地の将来像探る


秋保温泉の佐藤氏

「温泉地経営は文化」 住民の地域への誇り醸成

 日本温泉協会は6月25日、仙台市・秋保温泉で開いた会員総会に続き、温泉地のこれからを探る「温泉文化」シンポジウムを開催した。秋保温泉(仙台市)、下呂温泉(岐阜県下呂市)、道後温泉(松山市)から地域のリーダーが登壇し、持続可能な温泉地の発展に向けて、魅力づくりやインバウンド誘客、地域経営体制の構築などの取り組みを報告。意見交換を踏まえて、コーディネーターを務めた高崎商科大学特任教授の熊倉浩靖氏は、「温泉地を持続させてきたその地域経営こそが一つの文化だ」と指摘した。

   ◇  ◇
 秋保温泉旅館組合組合長の佐藤勘三郎氏(伝承千年の宿佐勘)は、立地・アクセスの良さ、参入事業者の多さなど地域の特色を生かした地域づくりについて「秋保温泉は仙台中心部から車で30分ほど。大都市近郊の温泉地としてどう独自性を発揮していくのかが課題。同じ大都市近郊の定山渓温泉(札幌市)、有馬温泉(神戸市)と連携事業を実施しており、成功事例を学び合いながら地域づくりを進めている」と語った。

 秋保温泉の弱点にはインバウンドを挙げた。「東北はインバウンドがまだまだ少ないが、秋保温泉は年間70万人のお客さまが宿泊される中でインバウンド客は2~3%にとどまっている」。また、宮城県が宿泊税の導入を検討し、県内で議論を呼んでいることを踏まえ、「秋保温泉の将来像を議論しているが、宿泊税と地域の将来像の描き方というのは不可分だ。宿泊税をどう地域の追い風に生かしていくのかを考えていく必要がある」と述べた。


秋保温泉の佐藤氏

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