旅の楽しさ、観光業の魅力アピール
日本観光振興協会は1日、東京都台東区立浅草中学で、3年生を対象に「観光教育出前授業」を行った。旅の意義や楽しさを伝えるとともに、観光産業の魅力をアピールした。
授業は3年生の6時限目(午後2時半から3時20分まで)に体育館で実施。冒頭あいさつした川杉玲夫校長は「2020年の東京五輪・パラリンピックを控え、(区を訪れる外国人旅行者などに対する)おもてなしの心をどう持てばいいのか、授業を通して見つけてくれるとうれしい」と期待した。
83人の生徒を前に、玉川大の寺本潔教授が「中学に必要な観光の学びとは~インバウンドで変化する区の将来を見据えて」と題して授業を開始。生徒には事前に日観振の観光教育専門部会が作った観光教育副教材が配布されており、参考にしながら授業を進め、「旅に出てほしい」「地域の宝(観光資源)を探して」「相手目線に立つのが重要」などと指摘した。
観光業の現場から、日本航空の客室乗務員、三崎絵里子さんとグランドプリンスホテル高輪のベル・ドア担当、高橋竜さんが志望動機や経験談、観光に対する思いを語った。
生徒からの「英語が話せない。どうしたら上達するのか」という問いには、「私も苦手だったが、会社に入ってから実践で学んだ。大丈夫」(三崎さん)、「現場で使う英語は同じことの繰り返し、苦手でも観光業界で働くのに支障はない」(高橋さん)と笑顔で答えていた。
生徒を代表し、お礼の言葉を述べた奈須田樹季さんは「五輪・パラリンピックで外国人にいいおもてなしができるよう頑張りたい。大人になったらさまざまなところに旅行して見聞を広めたい」と述べた。
日観振は観光産業の認知度アップと職業観の育成を目指した観光教育を重視しており、自治体などからの授業の要請があれば積極的に応じる方針だ。
生徒を前に出前授業を行う寺本教授