日韓観光交流拡大シンポジウムが3日、東京都内のホテルで開かれ、韓国側約100人を含む日韓の観光関係者約300人が参加した。主催は日本政府観光局(JNTO)。両国の観光交流では、日本から韓国への旅行者が低迷しており、来年の日韓国交正常化50周年に向けて双方向で観光を活性化させることを確認。日韓ともに地方観光を重要視する姿勢でも意見が一致、対策などを議論した。
シンポジウムは、日韓の観光交流の拡大をテーマとして韓国観光公社(KTO)が8月にソウルで開いた会合を受けて開催されたもの。講演やパネルディスカッションを通じて意見交換した。
JNTOの松山良一理事長は「現在の日韓交流は期待したレベルを下回っている。こういう時こそ日韓の観光関係者が力を合わせてツーウェイの交流を拡大し、交流人口700万人を達成すべきだ」とあいさつした。
KTOの卞秋錫社長も「8月の会合に続き、このシンポジウムが設けられたことは非常にうれしい。このような活発な観光関係者の交流は前例がなく、交流への協力をレベルアップさせる雰囲気が高まっている」と述べ、今後の成果に期待した。
低迷が続く日本人の韓国旅行の回復に関しては、日本旅行業協会(JATA)の田川博己会長が、日本の旅行会社の商品開発や店頭販売の担当者約千人を韓国への視察旅行に派遣する「メガファムツアー」の実施について紹介。
また、経団連の大塚陸毅副会長・観光委員長が、会員企業に韓国へのインセンティブツアーを呼びかけていることを説明した。
相互交流では地方観光の推進で方向性が一致。韓国旅行業協会(KATA)の梁武承会長は「訪韓外国人旅行はソウル首都圏に集中している。韓国は地方観光の活性化に関して日本よりも深い悩みを抱えている」と述べ、日韓の地方間交流を推進するため、姉妹都市の交流の活性化などを呼びかけた。
地方間交流の拡大に向けては、1994年に友好提携を締結して以来、相互交流を積み重ねている鳥取県と韓国・江原道の事例が紹介された。平井伸治・鳥取県知事と崔文洵・江原道知事がそろって出席し、青少年交流の実績などを基に交流の活性化策を提言した。
シンポジウムには、観光庁の久保成人長官、韓国文化体育観光部の金鍾次官も主席した。
壇上で手をつなぐ日韓の観光関係者