星野リゾート(長野県軽井沢町)は5日、全国で展開している「界」ブランドの24施設目となる「界 奥飛騨」を岐阜県・奥飛騨温泉郷に開業した。星野リゾートが岐阜県に進出するのは初。「山岳温泉にめざめ、飛騨デザインに寛ぐ宿」をコンセプトに、山間の新鮮な空気や風を感じる温泉、飛騨地域の伝統と技術が輝く文化に触れ、ゆったりと過ごせる滞在を提案する。
「界」は、同社が展開する温泉旅館ブランド。「王道なのに、あたらしい。」をテーマに、季節の移ろいや和の趣、伝統を生かしながら現代のニーズに合わせたもてなしを追求している。その地域の伝統文化や工芸を体験する「ご当地楽」や、地域の文化に触れる客室「ご当地部屋」が特徴で、今年4月には23施設目となる「界 秋保」も宮城県・秋保温泉に開業している。
今回開業した「界 奥飛騨」は、東と西の客室棟、湯小屋棟、離れの四つの棟に囲まれた中庭を用意。かつての平湯温泉街で見られた、共同浴場に歩いて出かけ、湯浴みする風景にちなみ、館内の温泉大浴場や客室の露天風呂のみならず、外の世界へも滞在中に幾度も回遊してほしいという思いから中庭を中心とした配棟を行った。
中庭の様子
客室は全49室で、すべての客室が地域の文化に触れられるご当地部屋「飛騨MOKU(もく)の間」とした。部屋内は高山祭からヒントを得た「紅」の色合いを印象的に使用。伝統的な漆塗り「飛騨春慶」や、地元の家具メーカー・飛騨産業による曲木(まげき)チェアを採用するなど、インテリアにもこだわっている。
ご当地部屋「飛騨MOKUの間」
大浴場には、奥飛騨の豪雪地帯に見られる雪の回廊をモチーフとしたデザインの露天風呂を設置。白い雪のような壁と頭上に空いた大きな穴が特徴で、風呂からは壁と空のみが見えるような設計となっている。内風呂には源泉掛け流しの「あつ湯」と、心身ともにリラックスできる「ぬる湯」の二つの浴槽を用意した。
夜の大浴場露天風呂
このほか、界ブランドのもてなしの一環として地域の文化を体験できる「ご当地楽」では、「飛騨の匠体験」と題したプログラムを用意。木を曲げてオリジナルの風呂敷を結んで使う曲木のハンドル作りを体験できる。
その他料理や施設の詳細は、公式サイトに掲載されている(https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaiokuhida/)。