星野リゾートは5日、ホテルアメニティをポンプボトル式へ変更すると発表した。個包装ソープ類撤廃を目指す。
星野リゾート(所在地:長野県軽井沢町、代表:星野 佳路)は、当社が運営する全30の宿泊施設での個包装ソープ類(*)を2019年中に撤廃し、ポンプボトル式での詰め替え運用へと変更することを決定しました。自然環境が豊かなリゾート地においては、自然を資源として活かしながら保全に努めるとともに、施設運営による周辺環境への負荷を限りなくゼロに近づけることが求められています。リゾート運営を専門とする当社にとって、環境負荷を軽減したサスティナブル(持続可能)なリゾート運営を行うことは企業競争力のひとつです。そのことから、当社では1992年より環境経営に取り組んでいます。
*シャンプー、コンディショナー、ボディーソープの3種
背景
近年、国際社会ではSDGs(持続可能な開発目標)が採択され、SDGsの主要課題の一つである海洋プラスチックごみなどによる環境汚染や気候変動、エネルギー利用に関して、さまざまな取り組みが行われています。
星野リゾートは、1914年の開業当初から水力発電を行ってまいりました。1991年、社長に就任した星野佳路(現星野リゾート代表)は、経営ビジョンとして「リゾート運営の達人になる」を掲げ、経常利益率・顧客満足度・環境経営の3つの指標を設けました。環境経営は、星野リゾートが自然と共生するために不可欠な3つの要素で構成されています。ゴミの資源化100%を目指す「ゼロエミッション」、自ら使うエネルギーはできるだけ自給していく「EIMY」の考え方をコンセプトとした「自然エネルギーの活用」、そして自然を守りながら持続的な観光資源として活用する「エコツーリズム」です。
ゼロエミッションでは、活動の開始当初からリゾート運営事業につきものの「アメニティごみ」削減に取り組みました。星のやをはじめ、界・リゾナーレの3ブランドでは、すでに個包装ではなく、ポンプボトル式ソープ類を採用しています。しかし、国内全宿泊施設での取り組みまでには至っていません。
現在、星野リゾートではブランドの垣根を超え、全社を挙げたアメニティごみ削減に取り組み始めています。その取り組みの第1弾が、2019年中の個包装ソープ類撤廃です。星野リゾートが運営する国内全宿泊施設の内、約90%にてすでにポンプボトル式を採用していますが、目指しているのは100%全施設での導入です。ソープ類をポンプボトル式にすることで、個包装ソープ類使用時と比較すると約49t/年のプラスチック容器、約73kl/年のソープ類の破棄削減につながるといえます。
今後の展開
豊かな自然環境があること、それがリゾートの最大の魅力です。したがって、環境への負荷を最小限に抑えた運営は、リゾート運営における必須の条件です。これを持続可能にすることが、経営的にも非常に大きな競争力になると考えています。
環境経営への取り組みをはじめてから27年を経た現在、開始当初に比べ、当社運営施設は国内外に点在するようになりました。星野リゾートでは、今後もリゾートの運営会社として、環境負荷を軽減したサスティナブルなリゾート運営を継続し、ブランドや地域特性に合わせた環境活動を推進していきます。リゾート事業自体が自然環境の活用と保全を両立する手段として認知されるためにも、今後も努力を続け、環境経営に取り組んでまいります。
星野リゾート
ラグジュアリーブランド「星のや」、温泉旅館ブランド「界」、リゾートホテル「リゾナーレ」、都市観光ホテル「OMO」の4つのブランドを中心に国内外で37施設を運営。
■代表 :星野佳路
■設立 :1914年
■所在地:長野県北佐久郡軽井沢町星野
■資本金:1,000万円
■従業員数:3,069名(2019年4月時点)