日本政策金融公庫はこのほど、ホテル.旅館、飲食業など生活衛生関係営業の設備投資動向とインターネットの活用について調査した。ホテル.旅館業で昨年1年間に設備投資を行った割合は44.5%。インターネットを活用した取り組みで効果があるものは「自社ホームページの開設」で、81.1%が回答した。
生活衛生業全体で昨年1年間に設備投資を行った企業割合は21.6%。前年から1.2ポイント上昇した。
9の業種別では、ホテル・旅館業が44.5%と最も多く、以下、公衆浴場業(42.2%)、映画館(31.5%)、クリーニング業(28.2%)が続く。
設備投資の金額(昨年1年間の総額)は「100万円以下」が45.2%と最も多い。設備投資に占める自己資金の割合は「全額自己資金」が49.9%と最多。
設備投資の効果(複数回答)は、ホテル・旅館業で「売り上げ増加またはコストダウンが図れた設備投資はない」が62.3%と、「コストダウンが図れた設備投資がある」(31.9%)、「売り上げ増加が図れた設備投資がある」(13.0%)を上回った。
「売り上げ増加が図れた設備投資」の例として「大浴場の改装により商品価値が上がった。全館禁煙とし、各フロア等に喫煙所を設けたことで家族連れに高評価を得られた」(福島県、投資金額5千万円超)、「コストダウンが図れた設備投資」として「客室の空調を変更。室外機2台、室内機11台を変更し、光熱費が3%低下した」(東京都、同約700万円)、「ユニットバスの交換、照明のLED化、ネオンの修復。宿泊客が増え、光熱費は月に30万円削減できた」(佐賀県、同1千万円)などが報告されている。
今後、実施を予定している設備投資の内容では、訪日外国人の取り込みを目的として全客室へのWi—Fiの設置と和室へのベッド設置、高齢社会への対応を目的として客室のバリアフリー化などが挙がっている。
一方、ホテル・旅館のインターネットを活用した取り組み(複数回答)では、「自社ホームページの開設」(78.0%)、「情報検索サイト(ぐるなびなど業界等の情報サイト)への登録」(66.5%)、「業界団体(生活衛生同業組合等)のホームページに店舗情報を掲載」(57.3%)が5割以上を占めた。
これらの取り組みで効果のあるもの(同)は「自社ホームページ—」が81.1%で最も高い比率。「情報検索サイト—」も69.6%と高い率を占めた。このほか「SNSの活用」が20.3%、「ブログの活用」が12.8%、「メールマガジンの配信」が9.5%など。