帝国データバンクの今年1月の景気動向調査によると、同月の景気動向指数(景気DI=0~100、50ポイントが判断の分かれ目)は44.8で、前月を0.7ポイント下回った。DI値の前月比悪化は5カ月連続。45ポイントを割ったのは05年8月以来、17カ月ぶりで、「07年に入っても足元経済は弱含みの展開が続いていることが示された」(帝国データバンク)。
調査は全国の企業2万207社を対象に実施。有効回答企業は9529社で、回答率47.2%。
業界別では、「不動産」が前月比1.0ポイント増の56.1。2カ月連続で改善した。貸し手優位の状況であるうえ、不動産価格の上昇が地方にも波及し始めていることが要因。
「農・林・水産」「建設」「製造」は前月比悪化した。「農・林・水産」(41.7、前月比6.2ポイント減)は飼料となる穀物価格が上昇したほか、宮崎県で鳥インフルエンザが発生し、不安感が増幅した。
「建設」(38.2、同0.8ポイント減)は公共事業費の削減決定や、脱談合の加速の影響が現れている。
「製造」(46.7、同0.9ポイント減)は原油価格が下落したにもかかわらず、素材価格の下落にはつながっていないとして、「鉄鋼・非鉄・鉱業」や「化学品」で前月比1ポイント以上悪化した。菓子メーカーの不二家の不祥事による業界への不信感の増幅も、飲食料品業界にマイナスに作用した。
企業の規模別では、大企業が47.6で、前月比0.4ポイント減、中小企業が43.9で、同0.8ポイント減。ともに5カ月連続で前月比悪化した。悪化幅は大企業より中小企業の方が大きく、規模間格差は3.7ポイントと、06年6月以来、7カ月ぶりに拡大した。
地域別では、「北関東」を除く9地域で前月比悪化した。「北関東」は首都圏から始まった不動産価格の上昇が波及し始めてきたことによる、不動産業界の景況感改善などが寄与し、前月比0.1ポイント増加した。
10地域中、最高水準の「東海」と最低水準の「北海道」の景況感格差は15.0ポイント。2カ月ぶりに縮小したが、2カ月連続で15ポイント台の高水準が続いている。