本白根山噴火、風評被害対策に本腰


 草津白根山の本白根山噴火で、群馬・草津温泉の宿泊予約キャンセルが相次いだ。草津温泉旅館協同組合が組合員約100軒に聞き取り調査したところ(約90軒回答)、1月26~31日のキャンセル数は2588件、1万2838人だった。キャンセルによる損失は数億円に上ると見られる。しかし、その後は噴火もなく、温泉街もにぎわいを取り戻しつつある。

 本白根山と温泉街は5キロ以上離れており、「全く温泉街は危険が及ぶ位置にない」(草津町)。情報発信の効果もあり、客足も徐々に回復。「2月3連休(10~12日)の宿泊の問い合わせは多く、満館に近い状況」と草津温泉観光協会。

 町は同28日、観光客の回復に向け、2千万円を観光振興費として緊急支出することを決めた。これを受け、観光協会と旅組、商工会の3団体は2月6日開いた誘致対策協議会(会長・中沢敬観光協会会長)で使いみちなどを話し合った。

 また、町は「ふるさと納税」の制度を活用して、観光業の支援に使いみちを限定した寄付金を募ることも決めた。

 ふるさと納税の返礼品(くさつ温泉感謝券)はこれまで、寄付額の3割相当だったが、これを4割に引き上げ、町に観光客を呼び込むきっかけにしたい意向だ。3月末までに入金した人が対象で、感謝券の有効期間は従来通り1年間となっている。

 群馬県も風評被害払拭に向け、緊急対策事業として2千万円超の補正予算を計上する。7日にも大沢正明知事が専決処分するという。国内外に向けた正確な情報発信や誘客のための観光プロモーションなどに充てる。
     

 
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