観光経済新聞社は22日、主催する「にっぽんの温泉100選」(観光関連9団体後援、トラベルジャーナル社協賛)の中間集計をまとめ、発表した。それによると、5年連続して1位の草津(群馬県)がトップの座を確保、6年連続に王手をかけた。以下、由布院(大分県)、登別(北海道)、黒川(熊本県)、指宿(鹿児島県)と続き、ベストテンに大きな変動は見られない。投票は10月末に締め切られ、最終順位は12月初旬に開かれる予定の100選実行委員会による審査会で決まる。草津温泉がこのまま逃げ切るか、投票の行方が注目される。
旅行会社への投票は7月から始めており、中間発表は事務局(本社)に届いた投票はがきを集計した。昨年同様、1万2千枚程度のはがきが集まっている。
旅行会社の支持を受け1位となった草津温泉。「泉質主義」を打ち出すほど泉質に自信を持ち、「湯畑」を中心とした温泉情緒や充実した宿泊施設、白根山や湯釜といった観光スポットも多い。旅行会社にとっては消費者に勧めやすく、送客しやすい点が評価されたと思われる。
草津と2位以下の得票数はやや開きがあり、草津の強さがうかがえる。一方、由布院、登別、黒川の得票数は接近しており、今後の投票次第では順位の入れ替わりもありそうだ。下呂(岐阜県)と城崎(兵庫県)の10位争いも目を離せない状況だ。
玉造(島根県)、伊香保(群馬県)、秋保(宮城県)、鳴子(同)などがランクを上げている。半面、塩原(栃木県)は22位からギリギリの100位と大きくダウンした。鬼怒川・川治(同)も13位から22位、嬉野(佐賀県)が19位から26位とランクを落としている。伊東、堂ヶ島などの静岡勢も苦戦。
一方、中間集計段階で新たに100選にランクインしたのは16温泉あった。このうち、河口湖(山梨県)は圏外からいきなり57位と大きく躍進。また、目立つのは福島県の温泉地で、東山、磐梯熱海、岳、土湯、穴原の5温泉が圏外から100選に入るなど健闘している。
なお、実行委員会は日本観光旅館連盟、国際観光旅館連盟、全国旅館生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光協会、日本政府観光局(JNTO)、財団法人日本交通公社から選ばれたメンバーで構成されている。
最終結果は12月20日付の紙面に掲載する。