北海道札幌圏内での国際会議や展示会、報奨・研修旅行などMICEの誘致、開催に向けて、道内外の旅行会社や通訳・翻訳会社など9社が共同で「さっぽろMICE戦略推進有限責任事業組合」を設立した。
参加企業の持つネットワークやノウハウを活用してMICEの情報収集・発信、誘致、開催の支援を行う。北海道観光のPRなどの事業も実施し、道や市、関係団体とも連携してMICEの拡大を目指す。
民間企業が事業組合を設けてMICEの誘致などに取り組むのは全国的にも珍しく、国際会議運営を行うイー・シー・プロ(札幌)や旅行業のDMC(同)、JTB北海道(同)など道内6社と、全国で大型会議を手掛けるコングレ(東京)や日本コンベンションセンター(同)など道外3社で組織。代表(職務執行者)はDMCの藤田靖社長が務める。
同事業組合では、11月に報奨・研修ツアーなどを手掛ける香港の旅行会社の幹部を招いた商談会を開催するほか、年明けからMICE都市アカデミーや誘致戦略セミナーの開催、ワンストップの相談体制づくりなどにも取り組む。
国際会議などの参加者は、一般の旅行者より滞在が長く、観光地にも足を運ぶなどの経済波効果が大きいが、札幌市での国際会議の開催件数は横ばいで、2016年度は115件と全国8位となっている。
道や市では、誘致戦略や官民による推進組織をつくり、その拡大に力を入れているが、全国的な競争も激化しており、そうした中での民間事業組合の設立は、大きな力になると期待している。