北海道庁はこのほど発表した2008年度の観光入込客数(実人数)は、前年度比5.1%減の4707万人となり、前年比で3年ぶりに減少した。「生キャラメル」をはじめ北海道のスイーツに人気が集まるなどの好材料はあったが、景気後退により旅行の出控え、急激な円高に伴う外国人旅行者の減少などが影響。全体の8割以上を占める道内客もガソリン価格の高騰などで減少した。
入込客数の内訳をみると、道外客が3.2%減の628万人、道内客が5.3%減の4079万人だった。道外客のうち外国人客数は、現在の調査手法となった97年度以降で初の減少となり、3.1%減の69万人に低迷した。
四季別にみると、道外客全体では春(4〜5月)は前年を1.2%上回ったが、以降は前年割れで推移。このうち外国人は夏(6〜9月)までは前年を上回っていたが、円高が進行した秋以降はマイナスとなり、冬(12〜3月)は18.8%減。道内客は四季を通じて前年に届かなかった。
日帰り・宿泊別では、日帰り客が6.6%減の3300万人、宿泊客は1.2%減の1407万人。宿泊は、道外客では3.2%減の626万人だったが、道内客では0.5%増の781万人とわずかながら増加したのが目を引く。
観光入込客延べ人数を地域別にみても、全地域で前年を下回る結果だった。ただ、延べ宿泊客数は、道央と道南がともに2.0%増と伸びた。
道や道観光振興機構では、厳しい状況が今年度も続いているとみて、道民の観光を活性化する「泊まるたび、巡るたびキャンペーン」、道外客向けの特色あるツアー商品の展開、さらにはアジア客誘致に向けた海外プロモーションなどを積極的に推進している。