「東京ソラマチ」が流行語大賞トップ10に選ばれるなど、今年の大きな話題となった東京スカイツリーが11月22日に開業半年を迎えた。スカイツリーについて東武鉄道の調べでは、当初の想定を30%上回る約328万人、平均すると1日約2万人が来場した。その人気に伴い、スカイツリーに送客を行う各旅行会社も総じて東京観光ツアーなどの販売が好調の様子だ。
はとバスのスカイツリー展望台入場付きツアー16コースの利用者数は、開業半年で約13万4千人だった。当初の集客目標は11万5千人を見込んでいたが、17%上回った。7月の個人入場券の当日発売後も予約数は堅調に推移し、半年間の平均乗車率が97.5%で半年間ほぼ満席状態だった。東京観光ツアーは各月約100コースを運行。そのうちスカイツリー展望台入場付きコースは全体の28.5%を占め、断トツの人気となっている。
オフィシャルエアラインの日本航空(JAL)を使った商品を販売するジャルパックは、スカイツリー入場券付きツアーの半年間の業績が当初の見込み通り1万6800人だった。ツアーはJALが羽田へ就航する28の国内線出発地で設定。専用ツアーの他にも、オプションとして入場券の割引券を販売した。特に大阪、福岡、札幌発の旅行客が多く、東京ディズニーランドを除いた東京観光商品としては、スカイツリー入場券付きコースが全体の約54%を占める人気ぶりだった。
東武トラベルは、オフィシャルトラベルエージェントの強みを生かし、東京観光は全てスカイツリー入場券付き商品を販売する。個人型の商品については当初の目標に届きそうな勢いだ。パンフレット数で12あるコースの他にネット商品もそろえる。
JTBはスカイツリーの入場券と宿泊、交通手段を加えたフリープランを販売。半年間の入場券はJTBで確保していた枚数をほぼ完売した。関西発の東京・横浜方面のツアー販売状況は4〜9月の上期で、前年比約7割増、開業直後の5月で2倍、7〜8月で約5割増だった。関西発の浅草、両国など下町を中心に宿泊する商品が10月以降も堅調で、前年の3倍で推移している。
JTB広報室は「お台場に宿泊し、浅草への移動は水上バスを利用し、スカイツリーとお台場を一緒に楽しむ動きも出てきている。当初はスカイツリーに近い地域の宿泊を選ぶ旅行客が多く見られたが、東京の見どころを組み合わせて楽しむ人が増えてきたようだ」と現在の傾向を分析する。
開業初年度の下期に向けて各社は13年1月から新商品の販売を開始する。はとバスは英語で案内するツアーを追加し海外からの旅行者の誘客を狙う。ジャルパックはコース数の大きな変更はないが、企画内容を充実させ、さらに魅力ある商品にしていく。東武トラベルはパンフレットで2、3商品増やす予定だ。JTBは次年度の商品については1月の発表だが、10月から宿泊プラン利用者を対象に500円で隅田川から夜のスカイツリーを眺めるプランを発売した。
東武鉄道はスカイツリー開業1周年の入場者数の見通しを640万人とした。12年の最終的な入場者数を545万人、13年は644万人、14年は580万人とし、13年もスカイツリー人気が続くと見込む。
人々を魅了する東京スカイツリー