訪日外国人客への案内を強化
東京メトロは15日、NTTドコモと共同開発した多言語翻訳アプリを東京メトロ全駅に導入した。多言語での駅構内放送など、訪日外国人客への案内を強化する。
従来、駅のタブレット端末に配備していた翻訳アプリは、駅の放送設備との接続を想定しておらず、活用シーンは利用客と対面しての対応時に限られていた。特に駅名や路線といった固有名詞や「振替輸送」といった鉄道に特化した文言が正確に翻訳されないという問題があった。
共同開発したアプリ「はなして翻訳」は、これまでNTTドコモが提供している翻訳アプリをベースに開発。駅の放送設備と接続し、事前に登録した文章をアプリ上で選択することで、多言語放送が可能となる機能を搭載した。自然災害などにより列車に遅れや運休が発生した際に、運行情報や振替輸送の案内といった専門性の高い内容について、多言語放送での案内ができるほか、恒常的に外国人客に対してマナーの要望などを行うことができる。
対面している外国人客にスマートフォンなどに向かって話してもらうことで、外国語から日本語への音声翻訳をする機能も備えている。駅周辺のランドマークへの行き方や乗り換えの案内など、外国人客への案内によく使うフレーズを定型文として登録できる機能もある。
英語、中国語、韓国語、フランス語、ポルトガル語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、タイ語、インドネシア語、ロシア語、ベトナム語の12カ国語に対応している。