実践者の取り組み紹介 7割超が「生活満足度上がる」
東北経済連合会(東経連)は5日、都会と地方など二つの拠点で生活する「デュアルライフ」を紹介するセミナーをオンラインで開催した。デュアルライフの現状を解説するとともに、既に東北でデュアルライフを実践している2氏らに生活拠点としての東北の魅力を語ってもらった。デュアルライフ実践者の7割超が「生活満足度が上がった」とする調査結果も示された。
パソナの社内ベンチャーで、都市と地域の関係創出支援を行う「パソナ東北創生」の戸塚絵梨子氏らがデュアルライフの現状を解説した。
戸塚氏はデュアルライフが普及している社会背景に「テクノロジーの進化によるワーク&ライフスタイルの多様化」「政府による政策の推進」「新型コロナウイルスによる影響」を挙げた。場所を問わず働けるワークスタイルの出現や、政府による東京一極集中の是正と働き方改革推進、新型コロナのまん延に伴う脱オフィスの進展などがデュアルライフの普及を後押ししているとした。
リクルート住まいカンパニー(現リクルート)の調査によると、デュアルライフを実践している世代は20代、30代が最も多く、この二つで全体の58%と5割を超える。戸塚氏は「定年後に別荘を持ち、豊かに暮らすなど、限られた人が行うイメージだったが、社会の変容で労働層にもデュアルライフへの動きが出てきた」と分析する。
調査ではまた、2拠点目の年間滞在日数は「30日以上60日未満」が24%と最も多く、次に多いのが「20日以上30日未満」の21%となっている。月平均2~5日の滞在が半数弱を占める状況で、年間180日以上の滞在は10%と少数派だ。
デュアルライフ開始後の生活満足度の変化について同調査では、「満足度が上がった」が29%、「やや満足度が上がった」が45%と、7割超の人の生活満足度が上がったとの実態が示された。
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