東北民鉄各社、需要喚起へ独自の取り組み


 東北地方の民営鉄道各社は今夏、需要喚起を図ろうとさまざまな独自企画を計画、実施している。利用者が減少し経営が厳しい民鉄だが、ビールと食事を楽しめる納涼列車の運行や乗り継ぎできるきっぷの販売など、夏休みならではの企画で幅広い層の需要を獲得したい考えだ。

 津軽鉄道(青森県五所川原市)は8月4日、冬の風物詩として知名度の高い「ストーブ列車」を運行する。五所川原立佞武多(たちねぶた)の当日に運行。津軽五所川原〜津軽中里を1往復する。車内では冬季と同じくストーブに火を入れ、ストーブで焼いたスルメやアイスクリームをサービスする。津軽中里駅では津軽三味線の生演奏も行う。往復の乗車料金は、大人2500円、子ども1千円。

 阿武隈急行(福島県伊達市)は、7月から納涼列車「ほろにが号」を運行している。福島〜あぶくま間を往復、あぶくま駅で下車し丸森町地域産業伝承館で生ビールと焼肉の飲み放題、食べ放題を楽しむもの。車内では、缶ビール2本とつまみを提供する。8月28日までの毎週金曜日に運行し、定員は各日100人。料金は運賃込みで1人3600円。

 三陸鉄道(岩手県宮古市)とIGRいわて銀河鉄道(岩手県盛岡市)は、JRバス東北、岩手県北バスと協力して列車とバスを乗り継げるきっぷ「きたいわてぐるっとパス」を7月1日から販売している。岩手県の二戸、久慈、宮古、盛岡、金田一温泉を回れるもの。一方向であれば3日間、どこから乗っても何度でも乗り降りできるので宿泊を伴う旅行にも使える。また周辺の宿泊施設や飲食店など34施設で割引やドリンクサービスなどの特典を受けられる。代金は大人4980円、子ども2490円。「1周した場合、通常の運賃よりも32%ほど安い」といわて銀河鉄道。販売、利用期間は来年の5月31日まで。

 
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