東北観光推進機構・教育旅行誘致部会(部会長=畠山廣・同機構副本部長)は7月25日、東京都内のホテルで、新潟県を含む東北地域への「体験型教育旅行」の魅力をPRするため教育旅行事例発表会を開いた。東北地域で教育旅行を行っている学校や教育旅行を受け入れている地域、施設の取り組み事例を紹介。その後、旅行会社らを交えた意見交換などを行った。
教育旅行事例発表では公私立中学校4校が発表。このうち東京都目黒区東山中学校は、宮城県気仙沼市での教育旅行事例を紹介した。同校は06年の修学旅行に続き、昨年中学1年生の2泊3日の自然体験教室を気仙沼大島で実施。生徒にホタテやわかめの加工体験や船釣りなどの漁業体験をさせている。同校の田中正勝教諭は、「東北の方の温かな心に直接触れることができるほか、漁業そのものや漁業を中心とした生活そのものを体験できるのはすばらしい」と東北地域での教育旅行を評価。一方で、費用を抑えなければ保護者からの同意が得られない公立校の実情に触れ、行政からの交通費補助などの必要性を同校の事例を具体的にあげ訴えた。
事例発表を受け、東北観光推進機構・教育旅行誘致部会アドバイザーの小椋唯一氏は、「東北での教育旅行実施は全体の5%と少数派だが、生徒に学んでほしい事柄をきちんと持ち、真剣に教育旅行に取り組む学校が東北を選んでいる。より多くの先生から東北での教育旅行実施への理解を得られるよう、地道に働きかけたい」と話したほか、教育旅行実施による地域活性化や経済効果への期待感を示した。
発表会には、学校関係者や旅行会社の担当者のほか、同地域の自治体関係者ら150人超が出席。事例発表後の相談会、情報交換会では、燃油サーチャージの値上がりなどで、費用面から海外での修学旅行の見直しを進める高校関係者らが、積極的に情報収集していた。
4校が事例を報告