東商、東京都に観光振興の意見書 ナイトライフ需要創出など要望


都の多羅尾光睦副知事(右)に意見書を手渡す佐々木副会頭

 東京商工会議所はこのほど、観光委員会(委員長・佐々木隆副会頭=JTB相談役)がとりまとめた「東京の観光振興策に関する意見」を東京都に提出した。安定的な消費拡大に向けたインバウンド対応力の向上やMICE誘致の取り組みの加速、ナイトライフ需要の創出などを求めた。

 ▼東京都の観光政策目標

 意見書は、(1)安定的な消費拡大に向けた観光経営(2)観光資源の磨き上げ・魅力の発信(3)良質で安心安全な受け入れ環境の整備(4)観光産業の持続的発展に向けた取り組みの強化―の4本柱で構成している。

 (1)では宿泊施設の充実に触れ、トイレなど施設の改修や外国語の表記案内、泊食分離料金の導入、カード決済への対応などに積極的に取り組む事業者への支援を求めるとともに、改正耐震改修促進法に基づく耐震診断に対する助成と改修工事に係る支援拡充を要望した。

 民泊については実態を把握し、分析可能なデータを収集した上で、「一定期間経過後には条例の見直しなど必要な措置を講じる」とした。同時に、違法民泊対する取り締まりや罰則の周知、適用の徹底を求めた。

 東京での国際会議の開催件数は225件だが、意見書は「シンガポールやソウルなど競合都市に比べ遅れをとっている」と指摘。MICEを受け入れる施設機能の受け入れ環境充実のため、高機能型Wi―Fiや同時通訳システムの設置・導入をすべきだと主張。

 (2)ではナイトライフ需要の創出について触れ、「美術館や博物館、娯楽施設の開館時間延長に加え、夜間交通の拡充や体験型観光の充実を通じた満足度向上が鍵となる」とした。都に対しナイトライフ活性化に向けた調査実施に加え、「官民連携の場を設け、具体的な検討課題や情報共有を図る」べきだとした。

 このほか、貸し切りバスの需要ひっ迫への対応と路上混雑の解消、観光危機管理体制の強化と外国人患者受け入れ態勢の充実、ランドオペレーターの適正な管理・監督、アクセシブル・ツーリズムの充実などの実現を求めた。


都の多羅尾光睦副知事(右)に意見書を手渡す佐々木副会頭

 
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