東武トラベル協定旅館連盟(市川捷次会長=群馬県・ホテル一井、770会員)は、環境の変化や会員数の激減などを受けて、連盟運営の方法を今後1年かけて見直す。具体的には、毎年開催している全国総会を隔年にし、総会費用を宿泊増売に直結する事業に振り向けるなどの案が挙がっている。2月19日、平成20年度の全国通常総会を東京・錦糸町の東武ホテルレバント東京で開き、決めた。市川会長は「会員と東武トラベルとの取引を基本的なところから考え直して、お互いの利益につなげたい」と改革の狙いを述べ、「旅連のモデルを目指す」と意気込みを示した。
19年度の本部理事会や正副会長会で今後の連盟のあり方について検討を重ね、「現在の時代や環境に見合った形態に見直しを図る必要がある」と結論。20年度総会で承認を得たことから、業務推進委員会を諮問機関として具体的な改革事項を洗い出し、年度末の正副会長会でまとめあげて、21年度総会に議案を提出する方針だ。
20年度総会で市川会長は、「旅連は何のためにあるのか。加入して東武トラベルと商売して非常に利益になっていると考えている会員は半分以上いないのではないか。いろいろなことが変わってきて、今まで通りでは先が見えている」と旅連改革の必要性を指摘。「(会員と東武トラベルが)本音の話をして、お互いのためになるようにしなければ存在意義がない。良い形で旅連が存在できるよう近づけていきたい」と力強く語った。
改革事項案の1つ、総会の隔年開催は、「事業報告、収支報告だけで終わっているような総会」(市川会長)の開催費を節約して、浮いた費用を企画商品造成や宿泊増売のための会議などに投下するというもの。限られた旅連の事業予算を有意義に使う。総会のない年は本部理事会や業務推進委員会合同会議を開く。
本部業務推進委員会の活性化も改革案。支部単位での業務推進委員会の活動にばらつきがあり、ここ数年、各支部が意見交換する本部業務推進委員会が開かれていない。これを本来の姿に戻す。
旅行形態の個人化と多様化、ネットエージェントの躍進など、宿泊・旅行業を取り巻く環境は変化している。旅館・ホテルの廃業、倒産は後を絶たない。こうしたことが相まって、東武旅連の会員数は年々減少。19年末は5年前の約1100会員から3割減っている。
改革を力説した市川会長