道後温泉旅館協同組合(愛媛県松山市、大木正治理事長=ホテル葛城)は11月4日、北投温泉を擁する台湾・台北市温泉発展協会と「温泉友好交流」の調印を行う。松山市と台北市は同じ「松山空港」を持つ縁で交流を深めてきたが、温泉地同士も交流し、相互の観光客誘致に努めるほか、懸案となっている両都市を結ぶ定期チャーター便の就航を実現したい考えだ。
調印式に先立ち今月5〜7日、台北市の一行が松山市を訪問。旅館組合の大木理事長らと調印の内容を確認したほか、野志克仁・松山市長を表敬訪問した。
野志市長は「52万人市民を代表し、皆さまを心から歓迎する。松山市は同じ『松山空港』の縁で台北市との間で都市間交流を進めてきた。両都市は“夢のチャーター便”ができればわずか2時間で結ばれる。(実現へ)皆さまのご協力をお願いしたい」とあいさつ。
訪問団を代表して、台北市温泉発展協会の周水美理事長は「(道後の)素晴らしいホテルに泊まり、素晴らしいお湯を体験した。台湾の人に、松山のよさを伝えたいと思う。台北も素晴らしい温泉を持っている。両温泉の交流を深められるよう、努力したい」と述べた。
松山市と松山観光コンベンション協会主催の歓迎レセプションでは、愛媛県知事で前松山市長の中村時広氏があいさつ。「私が市長になった時の夢のひとつが台北との定期チャーター便の運航。私の市長時代はかなわなかったが、流れは現市長に受け継がれており、いつか実現すると信じている」と述べた。
これを受けて周理事長は「私が台北市長なら、明日すぐに(チャーター便を)出航させる」とあいさつし、出席者の笑いを誘った。
友好交流の調印式は来月4日に台北市で行われる「台北市温泉まつり」の中で実施。まつりでは道後温泉のみこし2体も登場するなど行事に花を添える予定だ。
野志市長(前列中央)を囲んでの記念撮影(市長の左が大木理事長、右が周理事長=松山市役所で)