コロナへの効果は今月中発表
次亜塩素酸水の普及を目指すメーカーや研究者で組織する「次亜塩素酸水溶液普及促進会議」は11日、東京都内で記者会見を開き、次亜塩素酸水に関する誤報や誤認識を改めるよう、強く要望した。
新型コロナウイルス感染拡大対策の一つとして全国の施設等で導入されていた次亜塩素酸水だが、先月29日の経済産業省と独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)の中間報告では、「現時点で有効性や安全性が確認されておらず、引き続き検証試験を実施する」と公表した。この動きを受け、今月4日には文部科学省が全国の教育委員会を通して、児童生徒等がいる空間で次亜塩素酸水の噴霧を避けるよう通達した。同様に次亜塩素酸水の噴霧を一時的に停止する自治体や施設が出てくるなど、混乱が広がった。
会見で同会議の越智文雄代表は「中間報告では次亜塩素酸水については引き続き検証実験を実施すると発表されたが、なぜか次亜塩素酸水には効果がなく、空間に噴霧すると毒性があるなどの偏向した報道がなされている」と主張。
その後、さまざまな条件下での空中噴霧による不活化効果、北海道大学や帯広畜産大学などが行った実証試験の結果、海外での具体的な導入事例などが専門家により紹介された。
次亜塩素酸水はこれまでO―157や鳥インフルエンザ、ノロウイルスや新型インフルエンザなどに対しての不活化効果が認められている。NITEは今月中に最終報告をとりまとめるとしており、そこで次亜塩素酸水の新型コロナウイルスに対する不活化効果に関して発表される予定。
また、越智代表は「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムを混同している方も多くいるので、しっかり区別していただくようお願いしたい」と加えた。
記者会見の様子