観光庁は16日、住宅宿泊事業法(民泊新法)に基づく住宅宿泊事業者(民泊事業者)の宿泊実績を発表した。2カ月ごとに宿泊日数などを自治体に報告する義務があり、初の集計となる今回の期間は新法施行日の6月15日から7月31日まで。1軒当たりの宿泊日数(宿泊が行われた日数)は、集計期間47日のうち平均13.5日で、「稼働率」は28.7%だった。利用者の8割以上は訪日外国人だった。
7月31日時点の届け出住宅数は5510軒。9月30日時点の報告件数は5077軒で、報告率は92.1%。
全国の宿泊日数の合計は6万8711日。宿泊者数は8万3238人で、このうち訪日客が83.4%、国内客が16.6%。延べ宿泊人数は22万3113人泊。1人当たりの平均泊数は2.4泊だった。
民泊事業者は、提供日数(実際に宿泊が行われた日数)の上限が年間180日だが、今回の集計期間中の稼働率は約3割だった。ただ、観光庁によると、新法施行の直後で、宿泊実績が0日だった事業者が全体の約3割に上ったという。
都道府県別の宿泊日数(カッコ内は報告届け出住宅数)は、多い順に(1)東京都(1811軒)2万7851日(2)北海道(1022軒)1万7552日(3)大阪府(346軒)4414日(4)愛知県(189軒)3099日(5)福岡県(256軒)2918日。
届け出住宅1軒当たりの宿泊日数は、(1)北海道17.2日(2)愛知県16.4日(3)東京都15.4日(4)神奈川県14.0日(5)沖縄県13.2日(6)大阪府12.8日(7)千葉県12.6日(8)福岡県11.4日(9)佐賀県10.5日(10)滋賀県9.9日―となった。
届け出住宅数が多い東京や北海道などの都市部を中心に宿泊日数が多い。届け出住宅1軒当たりの宿泊日数で北海道や愛知県が上位を占めている要因には、1軒当たりの宿泊人数が多かったり、宿泊日数が長かったりしたためとみられる。
宿泊者の8割以上を占める訪日外国人の国・地域別の構成比を見ると、多い順に(1)中国(25%)(2)韓国(16%)(3)米国(10%)(4)台湾(9%)(5)香港(8%)。エリア別の構成比は東アジアが58%、東南アジアが15%、北米が12%だった。