住宅宿泊事業法(民泊新法)が15日に施行され、住宅を活用した民泊サービスの提供が一定の条件の下に可能になった。民泊の事業者には都道府県などへの届け出を義務付け、年間提供日数を180日以内と定めた。民泊の実施区域・期間などは、自治体の条例でさらに制限でき、1日時点で52自治体が条例を制定している。15日には改正旅館業法も施行され、違法民泊などの無許可営業に対する取り締まり、罰金が強化された。
民泊新法では、民泊(住宅宿泊)事業者に届け出を義務付けたほか、家主不在型民泊の管理を受託する管理業者は国土交通省に、仲介サイトなどを運営する仲介業者は観光庁に登録を求めた。5月11日時点の届け出・登録申請提出数は、民泊事業者724件、管理業者512件、仲介業者33件。
観光庁の6月1日時点の集計で、都道府県、保健所設置市(政令市・中核市など、特別区)の全150自治体うち、民泊新法に基づく条例を制定した自治体が52自治体、条例を制定しない自治体が37自治体、対応検討中が12自治体、都道府県から民泊事務の権限移譲を受けていない自治体が49自治体。
条例を制定した52自治体の中では、実施区域・期間の制限を含む独自の規制を課した自治体が48自治体、区域・期間は制限せずに管理の在り方などに独自の行為規制を設けた自治体が4自治体となっている。
改正旅館業法では、無許可営業者に対する都道府県知事などによる報告徴収、立ち入り検査の権限を規定。無許可営業の罰金の上限額は3万円から100万円に、他の違反への罰金の上限額も2万円から50万円に引き上げた。
また、改正旅館業法は、「旅館営業」と「ホテル営業」に分かれていた営業種別を「旅館・ホテル営業」に統合。旅館・ホテル営業では、最低客室数の基準を撤廃したほか、構造設備に関する要件を緩和した。