1995年の設立以来、肺炎などを引き起こす恐れのあるレジオネラ属菌の増殖やレジオネラ症への感染を防止するための方法、技術を啓発し、環境衛生の向上の必然性を伝えている全国水利用設備環境衛生協会(水利協、東京都台東区)。コロナ禍以降、旅館・ホテルなどに対して、「水利用設備環境衛生士」の資格取得を呼び掛けている。
水利用設備環境衛生士は、水利協が独自に定める資格制度で、水利用設備の清掃・検査・維持管理方法と補償などについて、衛生管理の適切な知識と技術を習得することで認定される。入浴設備を有する宿泊施設などで水を利用する設備の保守管理業務にあたる従業員を対象としている。
すでにおよそ450件の宿泊施設には有資格者が常駐。「従業員の衛生管理に対する知識とともに、意識が向上している」と会長の大熊久之氏。
この資格を取得するには、水利協が開催する講習会を受講することが必須。講習内容は(1)水を利用する設備を起因とするレジオネラ属菌による感染症などの基礎知識(2)同設備の清掃・検査・維持管理方法(3)協会独自のレジオネラ補償制度、など。
また、講習受講後に実施する修了試験の合格者には資格が与えられることに加えて、カードサイズの「水利用設備環境衛生士証」が発行される。併せて、A4サイズの「衛生士登録証」の発行が可能なことから、「ロビーやフロントに掲示して、宿泊客に安心・安全を訴求してほしい」と大熊氏。
講習会は東京、大阪、福岡の会場で定期的に開催されることに加えて、受講者の要望によっては出張講習にも対応する。
資格の有効期限は5年間。有効期限前に水利協から届く更新講習を取得することで、継続される。
詳細は、水利協メールアドレス(info@suirikyo.or.jp)。