沖縄の観光関連事業者らが作る「沖縄観光の未来を考える会」は18日、前原誠司国土交通相を訪れ、昨年来低迷する沖縄観光の現状を説明、同会が取りまとめた要望書を手渡し、その危機的状況や、緊急的な対応が必要であることを訴えた。
修学旅行先、観光地として国内でも人気の高い沖縄だが、経済不安や昨年5月以降の新型インフルエンザ流行の影響で、08年に過去最高の604万人を記録した年間の観光入り込み数は565万人にまで落ち込んでいる。また観光収入も4409億円から4125億円に減少しており、観光を中核産業とする沖縄県では雇用問題含め大きな経済的打撃を受けている。
同会は陳情に先立ち沖縄の観光産業の危機的状況を回避するための施策を検討。「沖縄観光産業の危機打開緊急対策事業費」の拠出と、沖縄県内の土産品店や宿泊施設で使用できる観光振興券の発行や、沖縄行きチャーター便への助成などの対策事業など31項目を要望書にまとめた。陳情団から要望書を受け取った前原大臣は「前向きに検討したい」と話したという。
その後、同会のメンバーは溝畑宏・観光庁長官を訪問。沖縄の観光について意見交換などを行った。
陳情メンバーの1人である新垣安男同会会長は、「会として政府への陳情を行ったのは2回目だが非常に真剣に聞いてくださり今までにない手ごたえを感じた。観光の現場で働く私たちだからこそ伝えられる生の声を今後も訴えていきたい」と継続的な陳情活動への意欲を語った。
同会は17日には、小沢鋭仁環境相、平野博文官房長官などのもとを訪れ、陳情を行っている。
前原大臣に要望書を手渡した