帝国データバンクはこのほど、東北3県(岩手、宮城、福島)沿岸部の津波被害が特に大きかった地域と、原発事故による警戒区域、計画的避難区域に本社があった5004社を対象に、震災2年時点の活動状況について追跡調査を行った。調査で事業再開を確認できた企業は3645社で、全体の約7割(72.8%)。半面、およそ4社に1社(26.5%、1327社)が休廃業に追い込まれている。業種別では小売業、県別では福島県が特に厳しい状況だ。
昨年2月の調査では、3507社、全体の70.1%が事業再開しており、今回調査はそれから2.7ポイントの上昇にとどまっている。
8の業種別では、サービス業、製造業など7業種で事業再開の比率が70%を超えている。最も高いのは運輸・通信業の85.2%。
小売業は65.1%と、唯一70%を下回った。「もともと地場零細の業者が多く、地域住民が地元を離れて長期の避難生活を余儀なくされたことで主な顧客を失い、事業再開のメドが立たない業者が相対的に多くなったためと見られる」(同社)。
県別では、岩手が83.9%、宮城が85.0%、それぞれ事業再開している。ただ、福島は35.5%と、低い比率となっている。休廃業が62.8%、実態が判明しない企業が1.7%にのぼり、深刻な状況となっている。「事業再開した企業の多くも移転を余儀なくされるなど、依然、企業活動は正常化していない」(同社)。