4月にDMOとして設立された浜松・浜名湖ツーリズムビューロー、浜松市の関係者が13日、東京都台東区の観光経済新聞社を訪問し、浜松周辺の観光の現状、今後の取り組みについて語った。
浜松・浜名湖地域は、昨年12月に国から食文化で訪日外国人を誘客する地域(農泊食文化海外発信地域)に認定された。また、日本有数のものづくり産業の集積都市として、自動車やオートバイ、楽器などの世界的企業が多く立地している。
東京と大阪の中間に位置し、交通の利便性の高い立地条件にあり、湖、海、川、山などの自然やレジャーを楽しむことができる「都市機能と自然、レジャーが共存するまち」となっている。
同市が観光で目指す姿は大きく分けて二つ。一つは、観光関連産業の主要産業化。ものづくりのまちとして発展してきたが、さまざまな環境変化に対応し、持続的発展をとげるため、ものづくりや音楽文化などの特長を生かしつつ、浜名湖を中心とした観光資源を磨き上げ、観光関連産業の主要産業化を目指す。もう一つは、シビックプライドの向上。観光地域づくりへの参画を通じ、市民が地域に愛着や誇りを持ち、地域の魅力を自ら発信できるようにする。
二つを目指す姿に掲げ、観光施策に取り組む中、今年4月には浜松・浜名湖DMOとして浜松・浜名湖ツーリズムビューローが設立された。インバウンド対応に力を入れ、「周遊コンテンツの整備・開発」「多言語対応」「キャッシュレス化」「おもてなし規格認証の取得」を柱に、ユニバーサルツーリズムの推進に取り組んでいる。
同市の2016年度の外国人宿泊者数は約33万人で、そのほとんどが中国、台湾からの団体客。「今後はFITの誘客を促進し、欧米豪の旅行客獲得にも力を入れていきたい」と浜松・浜名湖ツーリズムビューローの玉越賢治氏。
来年は、静岡デスティネーションキャンペーン(DC)の開催、ラグビーワールドカップの開催といった大型イベントが予定されている。20年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を含め、大型イベントを観光客誘致に結び付けたい考えだ。
浜松市観光・シティプロモーション課の原田憲治氏は「観光資源は豊富にあるが、目玉コンテンツをしっかりと開発し、観光分野の発展を加速させていきたい。将来的には、観光に来た方の移住、定住につなげていきたい」と述べた。
浜松などを紹介する静岡DCのパンフレット