深谷観光バスと埼玉工業大学は4月30日、「渋沢栄一 論語の里 循環バス」に大型の自動運転バスを導入したと発表した。
写真:新規運行の大型自動運転バス。旧渋沢邸・中の家前にて
この新型バスは、埼玉工業大学が令和2年度埼玉県先端産業創造プロジェクトのスマートモビリティ実証補助金により開発した全長9m、58[23]人乗りの大型自動運転バスです。埼工大の自動運転バスは、AI技術を積極的に採用し、全国各地の実証実験に多数参画してきた経験とノウハウを活かして、一般公道を法定速度で走行できるのが特長です。システムによる自動運転とドライバーによる運転を即時にスムーズに切り替えて、交通の状況に応じて安全に走行します。
論語の里を巡る観光客の足として、本年2月16日より埼玉県内初の業務用車両として緑ナンバーを取得した自動運転マイクロバス(リエッセⅡ)に続き、2台目となる大型自動運転バス(レインボーⅡ)です。
深谷観光バスが運行する『渋沢栄一 論語の里 循環バス』として、4月2日から一部の区間で試行的に自動運転を開始し、順次、自動運転走行による走行区間を拡大しています。4月29日からは路線の周回区間部分(渋沢栄一記念館、尾高惇忠生家、旧渋沢邸・中の家、誠之堂等を周回)の中の約8kmを自動走行します。
『渋沢栄一 論語の里 循環バス』は、大河ドラマ「青天を衝け」深谷市推進協議会(本部:埼玉県深谷市、会長:村岡正巳)の依頼により、深谷観光バスが平日はバス1台で1日7便、週末・休日にはバス2台で13便運行します。大型自動運転バスは週末・休日に使用される2台のバスの内の1台として利用されます。自動運転バスに乗車の際には、深谷観光バスのHPで最新の運行予定情報を確認した上で、ご利用ください。
詳細はこちら> http://www.fukayakanko.com/Rongo_no_Sato-RotationBus.html
<参考情報>
◯バスの運行計画について
2021年放映のNHK大河ドラマ第60作の主人公は、新一万円札の顔としても注目される「渋沢栄一」です。渋沢栄一翁の生誕地である深谷市には大河ドラマの放映に合わせて、『渋沢栄一 青天を衝け 深谷大河ドラマ館』(深谷市)が開館されました。ドラマ放映に伴い全国から多数の来場者が予想されるため、渋沢栄一翁に関連する論語の里を見学する観光客の移動ニーズに対応する循環バスを運行します。
循環バスは、JR深谷駅近くの仲町バス発着所から、大河ドラマ館、渋沢栄一記念館、旧渋沢邸・中の家、道の駅おかべ、JR深谷駅などを経由する路線です。平日は7便、土日・休日は13便を予定しています。自動運転バスは土日・休日に導入されます。
◯自動運転バスについて
埼玉工業大学が開発した自動運転機能を後付けで搭載した大型バスを、路線バスとして営業運行するために、緑ナンバー(業務用)を取得しました。
車両の仕様は、日野レインボーⅡを改造した、長さ:910cm、幅:244㎝、高さ:307㎝の58[23]人乗り、5.19Lディーゼル車で、Autoware(*)をベースにしたAIソフトで自動運転をおこなう実証実験用車両です。
Autowareを利用し、AIによる障害物の検知(識別・分類する)機能を強化して、複数のライダーやカメラの画像情報をディープラーニング(深層学習)により周囲環境としてAIで認識して、障害物を回避して走行することも可能です。埼工大は、埼玉県先端産業創造プロジェクトのスマートモビリティ実証補助金の対象に2年連続で採択されました。
同車両の開発は株式会社ミクニライフ&オート(社長:大西 浩樹、本社:埼玉県加須市)の全面的な技術協力により産学官連携で実現しています。
*:「Autoware」はThe Autoware Foundationの商標です。
<関連情報>
●「大河ドラマ館」の公式ホームページ: https://shibusawaeiichi-fukaya.com/
●『渋沢栄一 論語の里 循環バス』運行詳細(深谷観光バス株式会社)
・循環バス路線図:http://www.fukayakanko.com/pdf/TaigaRotationBus_Map.pdf
・循環バス時刻表:http://www.fukayakanko.com/pdf/TaigaRotationBus_Time.pdf
●自動運転関連情報
・埼工大 自動運転特設サイト:http://saikocar.sit.ac.jp/
・埼玉工業大学、県内初「自動運転バス」の営業運行開始:https://www.sit.ac.jp/news/210212_1/
・動画:スマートモビリティ実証事業の成果のご紹介 埼玉県産業労働部先端産業課
https://saikocar.sit.ac.jp/movie/200421/