添乗員ツアーに限定 インバウンド受け入れ再開


到着空港に新千歳、那覇追加

 コロナ禍で2年以上閉ざされていたインバウンドの扉がようやく開く。政府は、訪日外国人観光客の入国を段階的に再開する方針だ。旅行会社の添乗員が同行するパッケージツアーに限定した受け入れを10日から始める。対象は、新型コロナウイルスのリスク評価、ワクチンの有効性から分類した98の国・地域で、ビジット・ジャパン事業の重点市場のほとんどが対象。国際線の到着空港も増やし、新千歳、那覇の2空港での受け入れを6月中に再開する予定。ただ、入国・帰国者数の上限は、1日以降、当面1日当たり2万人で、さらなる制限緩和が期待される。

岸田首相「段階的に平時同様へ」

 添乗員同行のパッケージツアーに限った訪日観光の再開は、岸田文雄首相が5月26日に東京都内で開かれた国際会議「アジアの未来」の晩さん会におけるスピーチで表明した。観光庁が実施している訪日観光受け入れの実証事業と、宿泊施設・旅行会社向けのガイドラインの策定後、受け入れを再開する。岸田首相は「今後も、感染状況を見ながら段階的に平時同様の受け入れを目指していく」と述べた。

 観光目的の短期滞在の新規入国は、新型コロナの感染拡大以降、認められていなかったが、旅行業法に規定する旅行業者、旅行サービス手配業者(ランドオペレーター)などを受け入れ責任者として、添乗員付きのパッケージツアーの受け入れを再開する。旅行者には、マスク着用をはじめ、策定するガイドラインの順守を求める。

 政府は、水際対策に関して感染症リスクなどに応じて国・地域を「青」「黄」「赤」に分け、区分ごとに入国時の検査、待機などを求めている。当面の訪日観光の対象は、最も感染症リスクが低いと評価された「青」区分の98の国・地域に限定し、ワクチンの接種状況にかかわらず、入国時検査や自宅などでの待機は免除する。

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