栃木県那須塩原市の塩原温泉女将の会(田中志会長=湯守田中屋、24会員)は、ミナト製薬(東京都中央区)と共同で、塩原温泉の温泉水を配合した固形洗顔せっけん「みかえり乙女」を開発、販売している。保湿や美肌効果があり、田中会長は「泉質の良さが再認識できる商品になった」と自信を示している。
せっけんは2種類。硫酸塩泉の成分を含んだ「八汐ピンク」は、成分が肌に付着し、温泉パックのような状態をつくり肌にしっとり感を与える。炭酸水素塩泉の成分を含んだ「塩原グリーン」は肌の不要な角質や毛穴の汚れをとり、肌にすべすべ感を与えるという。
価格は2種類とも80グラムの商品が1850円、8グラムが300円。ハンドクリームもあり、30グラム1100円となっている。
市観光局の呼び掛けで、女将の会と市内に工場を持つミナト製薬が協力して開発に取り組んだ。塩原の温泉は天然の保湿成分であるメタケイ酸が豊富に含まれ、「美肌の湯」といわれるが、この温泉成分を生かすため、型枠に原液を流し込んで自然乾燥させる伝統的な製法(枠練り製法)を採用。「製造工程が3カ月ほどかかるが、せっけんに温泉水を配合するにはこの製法が不可欠だった」と同社。
また、「みかえり乙女シリーズを活用し、全国に美肌イコール塩原温泉を発信していく」という。
一部旅館や市観光局、塩原もの語り館など13施設で販売している。田中会長は「自分へのご褒美として買うお客さまもあり、『温泉に入っている感じがする』などの声もいただいている。コロナ禍でお客さまは少ないが、使った人が那須塩原のことを思い出すきっかけになればうれしい」と期待を寄せる。
塩原温泉のオリジナルせっけん