帝国データバンクによると、温泉旅館経営の湯富屋旅館(愛知県豊田市)は9月30日、名古屋地裁岡崎支部に自己破産を申請、同日、破産手続き開始決定を受けた。
同社は1926年創業、67年7月法人改組した温泉旅館経営業者。矢作川近くの笹戸温泉地区で最大規模の温泉旅館を経営。近時ピークと見られる2003年5月期には年収入高約4億9千万円を計上した。
バブル期に積極的な設備投資を行ったものの、その後は個人消費の冷え込みから集客の落ち込みが続き、16年10月期(決算期変更)の年収入高は約2億9千万円に落ち込んだ。官民ファンドや経営コンサルタント会社の支援を受けて再建計画の策定を模索したが実行までには至らず、自力での再建を図っていた。
しかし今年に入り新型コロナウイルスの影響で集客は激減。固定費や借り入れの負担も重く、集客回復の見通しも立たないことから事業継続を断念、今回の措置となった。
負債は約7億円の見込み。