帝国データバンクによると、旅館経営の高杉旅館(神奈川県湯河原町)は、1月22日までに事業を停止した。
同社は1928年創業、35年2月に法人改組。湯河原の「湯泉場中央」バス停のすぐの場所に立地する業歴90年超の老舗温泉旅館「源泉ゆ宿高すぎ」を経営していた。近年は、気軽に泊まれる「素泊まり専門湯河原温泉」としてインターネット予約を中心に集客するなど一定の常連客を有し、2019年7月期には年収入高3700万円を計上していた。
しかし、従前から零細規模の域を出ず、近隣旅館との競合などもあり厳しい業況が続いていた。加えて、収益も低調で源泉の使用料も滞納する状況に陥っていた中、2020年に入り新型コロナウイルス感染拡大の影響から湯河原の観光客が急減 同年7月からのGo Toキャンペーン開始後も、高級旅館に宿泊客が集中し、低価格帯の同旅館への寄与は限定的なものにとどまっていた。先行きの見通しも立たなくなり、資金繰りが限界に達したことから今回の措置となった。負債は現在調査中。