旅館の女将でつくる熊本県旅連女将の会(松﨑久美子代表・黒川温泉ふもと旅館)が主催する「熊本の宿・旅館フェス大のれん市」が11月26~28日、熊本市の水前寺観光センターで開かれた。県内の主な観光地・温泉地から旅館の女将が集まる初の試みで、地域や宿の特産品を販売した。コロナ禍に加え、県内には近年の自然災害で被害を受けた地域や宿があることから、女将らが心を一つにして熊本観光の魅力をアピールした。
熊本県旅館ホテル生活衛生同業組合などが協賛。黒川、阿蘇内牧、熊本、植木、天草、上天草、人吉、菊池、日奈久、玉名、湯の児、杖立、山鹿などの観光地、温泉地から旅館の女将らが参加した。
宿オリジナルの商品、人気飲食店の逸品、各地の海山の幸などが42のブースに並んだ。女将自らがお薦めの商品を販売するとともに、観光情報などを紹介した。会場に隣接する水前寺成趣園では、築庭350年の催しも開催されており、各ブースは多くの客でにぎわいを見せた。
県内の旅館の女将らは長引くコロナ禍でなかなか集まる機会を持つことができなかったが、感染状況が落ち着いた時期をとらえて、イベントに打ってでた。大都市部での誘客キャンペーンなどでなく、県民割やマイクロツーリズムで地元への関心が高まる中、あえて県内で情報を発信。2012年の阿蘇の水害、16年の熊本地震、20年の7月豪雨の影響が残る地域や宿があることから、熊本観光の復興への思いを込めた。
「熊本の宿・旅館フェス大のれん市」のブース