玉川大学経営学部は7日、東京都町田市の同大キャンパスで入場無料の公開シンポジウム「若者が望む海外旅行を考える」を開いた。観光庁の「若年層アウトバウンド促進事業」の連携事業として実施。同大経営学部観光経営学科の学生らも参加し、観光業界のプロと学生が意見交換をした。
観光庁の田端浩観光地域振興部長の特別講演「観光立国の実現に向けた取り組みについて」に続き、国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターの本田勇一郎代表が基調講演「世界の若者と日本の若者の海外旅行の比較」で登壇。
「世界人口が64億5千万人の05年推計で全世界旅行到達者数は8億人。そのうち15歳から29歳までユース旅行者到達数は1億9300万人で24%を占める」と市場の大きさを解説した。また「同年の全世界のユース人口16億7800万人に占めるユース旅行者の割合は11.5%。アジア太平洋(ユース人口9億7400万人)では4%、欧州(ユース人口1億9400万人)では52%」と話した。
神澤隆・同大経営学部観光経営学科教授は「玉川大学経営学部学生の海外旅行の実態と志向」の調査結果を紹介。また3組6人の学生が「学生の視点による海外体験報告と魅力的な旅の提案」を発表した。
折戸晴雄・同大経営学部観光経営学科教授をコーディネーターに開いたシンポジウム「若者の望む海外研修プログラムの実現にむけて」には、パネリストとして木島茂雄ジャルパック副社長、一倉隆ハワイ州観光局代表、西川敏晴ダイヤモンド・ビッグ社「地球の歩き方」取締役会長ら観光のプロ達と、同大観光経営学科3年の笠谷奈津子さん、同2年の宮崎恵さん、同1年の川合環さんの3人が参加した。
パネリストらによる「若者はインターネットで得られる情報で満足してしまい海外旅行に出かけないと言われているがどう思うか」との質問に対して3人は「現地に足を運ぶのが一番。気候風土は肌で感じなければ分からない」(川合さん)、「小学生のころからインターネットで海外旅行情報に親しみ、逆に触発されてきた。ネット情報が海外旅行の阻害要因だとは思わない」(宮崎さん)、「海外旅行先ではテレビやインターネットでは決して体験することのできない現地の生活に触れることができる」とそれぞれ答えた。
また「旅行を申し込む窓口を決める要因は何か」との問いには「友人に聞く。また有名な旅行会社の方が安全で(親も)安心すると思って決める」(川合さん)、「インターネットで情報収集をしてから旅行会社の窓口に申し込みに行く。直接相談してから決める」(宮崎さん)と回答。
「パッケージツアーに不満はあるか」に対しては「最少催行人数が決められていてツアーが不成立になることがある」(宮崎さん)、「自分で旅行計画を立てる楽しさが味わえない」(笠谷さん)などと話した。
観光業界のプロと学生が意見交換