内閣府はこのほど、景気ウォッチャー調査の4月分を公表した。3カ月前と比較した景気の現状に対する判断DI(季節調整値)は前月比0.1ポイント増の49.0と、2カ月連続で上昇した。雇用関連のDIが低下、家計動向関連のDIが変わらなかったものの、企業動向関連のDIが上昇した。
DIは地域の景気の動きを観察できる人に、景気の現状などを5段階で評価してもらったものを数値化したもの。
DIを三つの分野別にみると、企業動向関連は同1.2ポイント増の51.2。製造業、非製造業ともに上昇した。
家計動向関連は増減なしの47.7。飲食関連とサービス関連が上昇、小売関連が増減なし、住宅関連が低下した。
雇用関連は同1.7ポイント減の53.1。
2~3カ月先の景気の先行きに対する判断DIは前月比0.5ポイント増の50.1。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連の全てのDIが上昇した。
全国12地域の前月と比較した現状判断DI(季節調整値)は、5地域で上昇、5地域で低下、2地域で横ばいだった。最も上昇幅が大きかったのは四国で2.9ポイント増。最も低下幅が大きかったのは北陸で2.8ポイント減。
景気判断理由の主な声は次の通り。
「農繁期に入り、個人旅行の動きはさらに落ち込むとみている。この先ネットや旅行会社でいかに中央の客を取り込めるかがポイントになる」(先行き、不変、東北、観光型旅館)。
「今月はインバウンドを中心に、個人客も含めて予想以上の実績で着地しそうである。今月だけで見ると、ここ10年間では最高の実績となる見込みである」(現状、やや良、北関東、都市型ホテル)。
「客の所得が増加しているとは思えないので、旅行に対する支出はいまだ厳しい」(先行き、不変、北関東、旅行代理店)。
「先々の予約も例年に比べて減っている。大きなイベントも少なく、またいろいろな値上げの影響などもあり、節約傾向が顕著である。梅雨や夏休み期間になるため、早急な対応を迫られている。稼ぎ頭の宿泊の減速により、ホテル全体の販売量に大きな影響が出てきている」(先行き、やや悪、南関東、都市型ホテル)。
「低迷していた宿泊予約が順調に入り始めている。また、近隣の空きテナントにも新しい大型飲食店が入居し、来月の開店が決まっている」(現状、やや良、甲信越、都市型ホテル)。
「通常は夏になるとインバウンド客が減少する一方、国内客は増えるが、現状、予約の出足は鈍い」(先行き、やや悪、甲信越、観光型ホテル)。
「1~2月は大雪の影響があり、3月はその風評による影響で悪かったものの、4月に入って前年同月比でややプラスとなっている。国内の旅行客の動きは鈍いものの、インバウンドの動きがプラスとなり、全体でやや良い状況になっている」(現状、やや良、北陸、テーマパーク)。
「歓送迎会シーズンが終わり、5~6月の予約数が例年より少なく売り上げが伸びないことに加え、宿泊は団体客が減少する見込みである」(先行き、やや悪、中国、都市型ホテル)。
「毎月好調に推移する沖縄県への入域観光客数ではあるが、客室稼働率においては、3カ月前は前年を上回る実績ではあったものの、今月は前年同月実績並みである」(現状、やや悪、沖縄県、観光型ホテル)。