内閣府はこのほど、景気ウォッチャー調査の8月分を公表した。同月の景気の現状判断DI(季節調整値)は前月比2.1ポイント増の48.7と、2カ月ぶりに上昇した。家計動向関連、企業動向関連の各DIが上昇。雇用関連のDIが低下した。2~3カ月先の景気に対する先行き判断DI(同)は51.4と、前月を2.4ポイント上回った。
DIは地域の景気を観察できる立場の人々が、景気の現状や先行きについて「良くなっている」「変わらない」「悪くなっている」など5段階で評価したものを数値化して算出。
現状判断DIの家計動向関連では、小売関連、飲食関連、サービス関連の各DIが前月から上昇。住宅関連が低下した。
企業動向関連では、製造業、非製造業とも前月から上昇した。
現状判断DIを12の地域別に見ると、南関東、北陸を除く10地域で上昇した。
景気判断理由で観光関係の主な声は次の通り。
「中国をはじめ、東南アジアからの団体旅行が好調である。地元で開催されたスポーツイベントもプラスに作用した」(現状、やや良、観光型ホテル、北海道)。
「猛暑、不安定な天候や平成30年7月豪雨等による出控え、見合わせなどが起因して、思うように客足が伸びてこない」(現状、やや悪、旅行代理店、北関東)。
「問い合わせは結構あるように感じたが、決定にはなかなか至らない。天候変動により二の足を踏んでいることが要因としてあると思うので、景気が良い方向に向いているとはいいかねる」(先行き、不変、旅行代理店、南関東)。
「宿泊問い合わせの客から『どこのホテルも満室と言われた』『なぜ、こんなにホテルが取れないのか』等々の声を頻繁に聞く。また、インターネットで他のホテルの料金を調べると、かなり値上げしている。駅の観光案内所からの宿泊問い合わせも大変多い」(現状、やや良、都市型ホテル、甲信越)。
「9~10月は国体と障害者スポーツ大会があり、例年よりも売り上げが見込める」(先行き、やや良、観光型旅館、北陸)。
「全般的には、海水浴客を中心とした来訪客は多かった。ただし、夏の繁忙期に2度の台風によるキャンセルや、数カ所の施設の損壊も起きている」(現状、やや良、観光型旅館、近畿)。
「平成30年7月豪雨災害の復興に向けた国と県の支援による被災地への観光客の誘致施策が始まっており、自粛ムードもやや薄れている気配がある。一般の物販や外食での個人消費、個人イベント開催も回復しており、今後は秋の観光需要や法人企業の利用も回復してくる」(先行き、やや良、都市型ホテル、中国)。
「今年は6~8月に風水害があったが、県庁所在地ではあまり影響を受けなかった。地元の温泉街は根強い人気があり、商店街もにぎわった」(現状、やや良、観光型旅館、四国)。