環境省は1日、第8回全国温泉地サミットを東京都内で開いた。「コロナ禍を経た温泉地のインバウンド対応」をテーマに温泉地を抱える4市の市長らが講演した。各市の市長らは宿や飲食店など受け入れ施設の整備や持続可能な取り組みの推進など、外国人客誘致に向けたそれぞれの施策を紹介した。
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新潟県妙高市・城戸陽二市長
市には七つの温泉地(赤倉、新赤倉、池の平、妙高、杉野沢、関、燕)があり、それぞれ泉質が異なる。五つの泉質、三つの湯色があり、「七五三の湯」と皆さまに紹介している。国内有数の豪雪地で、市内に九つのスキー場がある。
観光入り込み客数は令和5年に511万3860人。コロナ禍で減少した後、一昨年、昨年と回復基調だが、いまだコロナ前(令和元年561万4660人)には戻っていない。ピークはバブル崩壊前の平成2年の約800万人。それからかなり減っている。
スキーで名をはせたが、近年は駅伝の選手が多く合宿をしており、宿泊数は8月がピーク。宿泊割引キャンペーンを行うなど、雪のないシーズンも誘客に努めている。
外国人客は昨年、12万5682人。コロナ前(令和元年7万3千人)を超えた。国別ではオーストラリアが約半数。ただ、ホワイトシーズンがほとんどで、グリーンシーズンにいかに取り込むかが課題となっている。
客数が増えるにつれて観光売上額も増えているが、域内で循環している額が17%に過ぎない。その額を増やすことも課題だ。
ホワイトシーズンの観光需要を確実につかむために、宿泊・飲食サービス店の不足を解消したい。企業誘致を働きかけ、問題を解決したい。
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徳島県三好市・高井美穂市長
大歩危・祖谷温泉郷の旅館5社がグループ(大歩危・祖谷いってみる会)を組み、観光戦略の立案、プロモーションを実施。行政は人的資源の供給、補助金・事業費などの獲得、DMO「一般社団法人そらの郷」が受け入れ態勢の整備を進めるなど役割分担をし、地域一体となって観光振興に努めている。
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