日本政策金融公庫はこのほど、ホテル・旅館、飲食など生活衛生関係営業の雇用動向に関する調査を行った。1年前と比べた従業者の確保を巡る環境は「確保しにくくなった」割合が36・1%と、2008年の調査開始以来、最高となった。業種別では、ホテル・旅館業が60・2%と、9業種の中で最も高くなっている。
ホテル・旅館業の「確保しにくくなった」割合の推移を見ると、2012年から16・0%、40・4%、47・0%、52・3%、60・2%と年々上昇している。
「確保しにくくなった」割合が高い業種はほかに、映画館の50・9%、食肉・食鳥肉販売業の40・9%、飲食業の40・0%など。
従業者の確保がしにくくなった理由(複数回答)は、「新規に募集をしても応募が少ない」(81・3%)、「新規募集の際に、求められる待遇面(給与、休暇等)の水準が高い」(38・3%)、「新規に雇用した者が定着せずに辞めてしまう」(31・9%)、「新規募集の際に、応募はあるものの、意欲・能力等の面で求める人材が少ない」(30・1%)など。
従業者の過不足感は、ホテル・旅館業で「不足」が64・8%、「適正」が34・7%、「過剰」が0・6%。生活衛生業全体では「不足」が38・8%、「適正」が57・2%、「過剰」が4・0%。
ホテル・旅館業の「不足」の割合は、2012年から29・3%、47・0%、51・8%、57・0%、64・8%と、「確保しにくくなった」割合と同様に年々上昇している。
1年前と比べた従業者の増減動向は、ホテル・旅館業で「減少」が27・3%、「変わらない」が60・2%、「増加」が12・5%。
生活衛生業全体は、「減少」が18・0%、「変わらない」が76・8%、「増加」が5・2%。
従業者の減少理由(複数回答)は「離職者の補充人員を募集したが採用できず」が61・4%、増加理由(同)は「将来の人手不足への備え」が51・9%と、それぞれ最も高くなった。