鳥取県米子市の皆生温泉旅館組合(宇田川英二組合長・皆生つるや)は2月27日、皆生温泉オリジナルの日本酒「皆生温泉 海に降る雪 上代」の今期の新酒を地元で披露した。地域の活性化につながる名物にしようと、旅館組合青年部を中心に、農家、酒造会社と連携して売り出すブランドで、2009年の発売以来、観光客らに人気を呼んでいる。
純米大吟醸のあられ酒で、炭酸の強いやや辛口の味わい。「発泡性があり、ビンを開ける際も噴きこぼれないように時間をかけて少しずつ開ける」(旅館組合)。商品名の「海に降る雪」は、日本海の青を連想させる青いビンの中で米こうじの粒が揺れる様子や皆生海岸に降る雪をイメージしている。
ボトルは500ミリリットル入り。毎年、数量限定の生産で今年は2310本を販売する。各旅館で料理に合わせて提供するほか、旅館組合が運営する土産店「皆生横丁きないや」で同日に今期の新酒の販売を開始した。昨年は2千本を販売したが、出雲大社の遷宮に伴う集客効果もあって秋には完売した。
オリジナルの日本酒づくりには、酒米を生産する伯耆町上代地区の農家、酒造会社の千代むすび酒造(境港市)と連携。旅館組合の青年部のメンバーは、オリジナルブランドへの思いを込めて、酒米の田植えや稲刈り、酒の仕込み作業に毎年参加している。
新酒の発表会には、地元の自治体や経済界からの来賓、酒づくりに関わった農家、観光関係者ら約120人を招待し、新酒と酒に合う料理を振る舞った。
新酒発表会であいさつする旅館組合の宇田川組合長=中央右(2月27日、皆生温泉で)