神戸須磨シーワールド開業 「神戸観光の目玉」目指す


 神戸市の神戸須磨シーワールド、神戸須磨シーワールドホテル、須磨海浜公園が1日、全面開業した。旧来神戸市民に愛されてきた須磨海浜水族園の生物などを受け継ぎ522種1万7千点の生き物を展示する。中でも西日本で初めてのシャチの展示などが目玉。シーワールドホテル、海浜公園と共に、新たな神戸の滞在型観光の目玉として期待が集まる。

 「須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業」として、サンケイビルを代表企業に、同社グループのグランビスタ ホテル&リゾートや、三菱倉庫、竹中工務店など7社でつくる共同事業体が手掛けたもの。ホテルのほか、鴨川シーワールド(千葉県鴨川市)で水族館運営のノウハウを持つグランビスタホテル&リゾートが運営を行う。

 神戸須磨シーワールドはオルカスタディアム、イルカスタディアム、アクアライブの3棟で構成。「『つながる』エデュテインメント水族館」をコンセプトに、大人も子どもも楽しみながら学べる機会を提供する。

 このうちオルカスタディアムは、西日本で初めてのシャチのパフォーマンススタジアムや世界初のシャチに関する教育ゾーン、シャチの水槽を見ながら食事ができる地産地消ブッフェレストランなどで構成。ドルフィンスタディアムにはイルカとのふれあい体験プログラムを行うドルフィンビーチを備える。

 アクアライブの1階には、須磨海浜水族園で飼育されていた、ロングノーズガーなどの淡水魚の一部を公園利用者に向けて無料で展示する。

 隣接の神戸須磨シーワールドホテルは8フロア80室。定員が4、5人の半数以上で、ファミリー層をメインターゲットに、インバウンド客などの利用も見据える。プレミアムルーム6室には客室内に水槽を設置。ホテル野外には、1日3組限定でイルカと一緒に泳ぐアクティビティ「ドルフィンエクスペリエンス」を行う、日本初のホテル直営ドルフィンラグーンも持つ。宿泊者は無料で何度もシーワールドに入館できる。年間稼働率目標は86%、平均単価は5万~5万2千円を想定する。このほか平日を中心に、300人規模までの教育旅行団体の受け入れなどにも対応する考えだ。

 5月30日に開いた記者会見には、今西正男・神戸市副市長、飯島一暢・サンケイビル社長、須田貞則・グランビスタ ホテル&リゾート社長、水村樹人・神戸須磨シーワールド総支配人らが出席=写真。このうち須田社長は「この事業を通して、この地の潜在的な価値を顕在化し、地域コミュニティと観光リゾートの持続可能な発展を推進していきたい」とあいさつ。

 水村総支配人は初年度の入館者目標を200万人とした上で、「須磨の観光の核になることを目指す。神戸市民のレガシーを感じられる施設にしたい」と意欲を語った。また神戸市が目指すナイトタイムエコノミーの充実にも貢献すべく、水族館での宿泊や水族館の夜間展示などにも意欲を見せた。

 神戸須磨シーワールドの入場料は変動制で、大人2900~3700円、4歳以上中学生までが1700~1800円。このほか神戸市内の幼児~中学生までの学校団体は無料で入場できる。また同市在住の幼児は無料、小・中学生は500円で年に1回利用できる特別優待チケットを発行、須磨海浜水族園時代よりも大幅にアップした入場料の影響を抑えて利用を促し、地元・神戸市民に親しまれる施設を目指したい考えだ。

 
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