福島県観光物産交流協会は2月21日、東京都内で教育旅行誘致セミナーを開いた。首都圏の旅行業者に「ホープツーリズム」など同県の教育旅行の素材をアピール。東日本大震災の被災地の語り部らは現地での活動を再現、紹介した。
ホープツーリズムは、東日本大震災の被災地のありのままの姿を見てもらい、復興に取り組む現地の人々の話を聞き、震災や福島第1原発事故の教訓を今度にどう生かすかを考えてもらう取り組み。教育旅行などの素材として普及に力を入れている。
福島県への教育旅行は震災前の平成22年度に67万3912人を受け入れたが、震災があった23年度に13万2445人と激減。徐々に回復しているが、29年度は48万8298人と、22年度の7割程度となっている。
完全復旧に向け、同協会と県は首都圏や近隣県など年間約千カ所にキャラバンを派遣するとともに、ホームページやメールマガジンで関連情報を発信している。県外からの教育旅行にバスの経費の一部を補助する「福島県教育旅行復興事業」は31年度も引き続き実施する予定。
いわき市で語り部として活動する「いわき語り部の会」の大谷慶一氏と、会津若松市の教育旅行受け入れ施設「會津藩校日進館」の仮名則嗣氏は現地での活動状況を紹介。大谷氏は現地での語りを再現し、自らも被災した震災当日の様子を詳細に述べた。
會津藩校日進館は江戸時代に開設された人材育成塾を昭和62年に再現した施設。座禅や弓道、茶道、民芸品作製などの体験ができる。
「ホープツーリズム」を紹介