福島県は10月20、21日、関東近郊の旅行会社などを対象に現地視察ツアーを実施した。来年4月1日〜6月30日に開催されるアフター・デスティネーションキャンペーン(DC)「福が満開、福のしま。」に向けて、観光素材に触れてもらい、情報発信の強化を目指す。県内を二つのコースに分けて視察してもらった。
県中、県北、いわき、相双地方を巡るコースの初日には、郡山市の酒蔵、笹の川酒造と高柴デコ屋敷の三春駒、四季の里・緑水苑を紹介。田村市では約8千万年の神秘の造形美「あぶくま洞」、二本松市では霞ケ城公園で開かれている「菊人形展」をPRした。
翌日には、いわき市の金澤翔子美術館、トマトランドいわき、アクアマリンふくしまなどを案内。楢葉町と広野町にまたがる「Jビレッジ」も視察。Jビレッジは、原発事故前まで日本最初のサッカーのナショナルトレーニングセンターだったが、現在は事故収束のための「復興の拠点」として活用されている。南相馬市では相馬野馬追の展示がある「カデッセかしま」を紹介した。
母畑温泉・ホテル八幡屋では説明会、意見交換会が行われ、県観光交流課、各観光協会の担当者が観光をアピールした。
視察ツアーに参加した東武トップツアーズの横田聡一朗氏は「大変勉強になった。復興に向けて歩む福島を愛する皆さんの気持ちと、おもてなしの心が伝わってきた」。オンタナ観光の櫻井重氏は「特に相双地方が印象的だった。アフターDCでは磐越、浜通り、相双地方の旅行企画で貢献したい」と語った。
視察ツアーを企画した福島県観光交流課の平山知宏氏は「アフターDCに向けた観光素材や復興の状況を見てもらって、今後の個人・団体旅行の商品造成の一助にしてもらえればありがたい」と述べた。
もう一つのコースの視察ツアーは、10月14、15日、会津、南会津、県南エリアで実施した。
あぶくま洞(田村市)の視察
金澤翔子美術館(いわき市)