秋田県小坂町は6月をめどに、鉄道テーマパークをオープンする。旧小坂鉄道の線路と設備を活用し、「見て、学んで、体験できるレール遊びの複合施設」とする。周辺には産業遺産など見どころも多く、鉄道テーマパークオープンで観光客誘致に弾みをつける。
同町観光産業課にぎわい創出班の中村長裕主任、小坂まちづくり会社の鈴木二朗明治百年通り情報発信・企画担当がこのほど、東京・池之端の観光経済新聞社を訪れ、概要を説明した。
この施設は「小坂鉄道レールパーク」。約400ヘクタールの敷地に車両展示場や機関車庫、鉄道路線などを整備する。「ディーゼル機関車の運転体験は全国でもここだけ」と中村主任。ラッセル車や県指定有形文化財の11号蒸気機関車など展示物も充実している。
同町は12年度から「明治百年通り」を中心とした新たなにぎわい創り事業を実施しており、レールパークへの期待も高い。周辺には国重要文化財で明治の芝居小屋「康楽館」や「小坂鉱山事務所」といった日本の近代化を支えた産業遺産群もある。
小坂鉄道は小坂製錬が運営していた鉄道貨物線で、09年4月に廃止された。1994年までは旅客営業も行っていた。11年5月、町が小坂製錬から旧小坂駅機関車庫を借り受け、同駅のレールパーク化を目標とした「小坂鉄道観光活用事業」を開始、ディーゼル機関車などの整備を行うとともに、昨年3月には小坂駅改修工事も終えた。