帝国データバンクによると、宿泊施設運営の稲荷山温泉(長野県千曲市、資本金9840万円)は11日、事業を停止した。自己破産申請の準備に入っている。負債は6億3200万円。新型コロナウイルスの影響を受けた倒産が判明するのは長野県内で2件目。
稲荷山温泉は、1956年12月に設立。温泉宿泊施設「稲荷山温泉ホテル杏泉閣」を運営し、2012年3月期には年収入高約2億8700万円を計上していた。
近年は近隣施設と競合激化し業績が低迷。事業再建も模索したが、19年3月期の年収入高が約1億7300万円にとどまるなど業績は回復しなかった。今年に入り、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が広がったことも重なり先行きの見通しが立たず、事業の継続を断念した。