岸田首相指示 来年度から3ヵ年計画に
岸田文雄首相は、11日に観光立国推進閣僚会議を開催し、新たな観光立国推進基本計画を策定するよう指示した。基本計画は、観光立国推進基本法に策定が義務付けられている観光施策に関する中期的な計画。直近の計画は2020年度末に計画期間を終了しているが、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で当面の情勢が見通せなかったことから、改定が先送りされていた。新たな基本計画は23~25年度の3カ年計画となる見込みで、コロナ後の観光政策を推し進める目標の在り方などが注目される。
コロナで中断
岸田首相は観光立国推進閣僚会議で、「世界的な旅行需要の回復が見込まれ、大阪・関西万博が開催される2025年をターゲットに、わが国の観光を持続可能な形で復活させるために、新たな観光立国推進基本計画を今年度末までに策定してください」と指示した。
基本計画は、07年1月に施行された観光立国推進基本法に策定が規定されている。基本計画には、観光立国の実現に関する施策の基本的な方針、目標、講ずべき施策などが定められる。観光庁を事務局に有識者で構成する交通政策審議会観光分科会での議論を経て、国土交通相が計画案をとりまとめ、閣議決定する。
法定計画に期限を超えて策定が遅れた例がないわけではないが、直近の観光立国推進基本計画は、17~20年度の4カ年計画で、すでに21年3月末で期間を終了している。改定作業は、20年8月以降の交通政策審議会観光分科会で議題に上がってきたが、コロナ禍で社会経済の先行きが不透明な状況では、中長期的な実効性のある計画の策定は難しいとの意見が大半で、具体的な検討には入らなかった。
万博に向けて
会員向け記事です。