第34回にっぽんの温泉100選、草津温泉が18年連続1位


2位別府八湯、3位下呂 特別賞に土湯

 観光経済新聞社は、第34回「にっぽんの温泉100選」を決定した。今年は新型コロナウイルス感染症拡大による状況の変化が票にどのような影響を及ぼすのか注目されたが、結果は草津温泉(群馬県)が従来同様の強さを発揮して1位を維持した。これで第17回から18年連続でトップに立っている。2位は前回と同様、別府八湯(大分県)。下呂温泉(岐阜県)が前回の6位から3位に浮上した。温泉100選と同時に実施された20年度「人気温泉旅館ホテル250選」も決まった。(7面ににっぽんの温泉100選全ランキング、14面に人気温泉旅館ホテル250選)

 今年で34回目となる「にっぽんの温泉100選」は、旅行のプロである旅行会社やOTAなどの投票によって人気の温泉地を選んでもらうことで、どのような温泉地が旅行者に支持されているのかを探るのが目的。併せて、上位を目指して全国各地の温泉地が地域の魅力づくりを推進することも狙いとしている。

 後援は観光庁と日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本温泉協会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、公益財団法人日本交通公社。国内観光に関わる主要な団体が後援し、また、その代表者が実行委員会に委員として参加していることから、にっぽんの温泉100選は「観光業界が認めた温泉ランキング」の評価を得ている。

 今回もJTBやKNT―CTホールディングス、日本旅行、東武トップツアーズをはじめとする旅行会社や、じゃらんnetや楽天トラベルといったOTAなどに7月1日から10月末までの期間に投票を呼び掛けた。有効投票はがき枚数は5761枚(前回7408枚)。1枚のはがきに最大5カ所の温泉地を記入できるため、総投票数は2万1735票(同2万582票)となった。各社でコロナ対策としてリモートワークが導入された影響なのか、はがき枚数は前回よりも約2割減少したが、はがき記入温泉地数が増え、総投票数は増加した。

 1位の草津温泉は、温泉の質の良さで人気。「泉質主義」をうたい、湯けむり立つ源泉「湯畑」がシンボルとなっている。「日本三名泉」の一つとして知名度も高い。

 2位の別府八湯は、「別府」「浜脇」「鉄輪」など別府市内の8温泉の総称。さまざまな泉質や雰囲気の温泉を楽しめるのが魅力だ。

 下呂温泉も「日本三名泉」として知られる。エコツーリズムなど地域活性化のための新たな取り組みにも力を入れる。

 有馬温泉(兵庫県)が4位をキープ。前回3位の指宿温泉(鹿児島県)は5位。道後温泉(愛媛県)は前回5位から6位に。箱根温泉(神奈川県)が7位、城崎温泉(兵庫県)8位がとそれぞれ2ランク上昇した。ここ数年、トップ10の顔ぶれは同じで、この10温泉の人気の高さがうかがえる。

 人気温泉旅館ホテル250選も旅行会社やOTAなどの投票によって決定される。今年の入選は270軒(同じ企業グループの宿泊施設が1温泉地で2軒以上、入選基準を満たす票を集めた場合にはその宿泊施設を全てまとめて「1選」としている)、初入選は8軒。これまで5回以上の入選を果たした優秀な旅館・ホテル234軒には「5つ星の宿」の称号を贈る。

 20年度の入選施設への認定証授与式は来年1月15日に東京の浅草ビューホテルで開催する。

 毎年、実行委員の推薦によって地域活性化に熱心な温泉地や宿泊施設などを表彰する「実行委員会特別賞」も決定している。今年、選ばれたのは福島県の「土湯温泉」。「観光協会などで新会社を立ち上げ、地熱発電所を設置。収益の一部を地元に還元するなど地域貢献を行っている」ことが高く評価された。

第34回にっぽんの温泉100選全ランキング

実行委員会による審査会

 
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