岐阜県内の交流施設で今年2月、CO(一酸化炭素)中毒で高校生らが治療を受ける事故が発生したことを受け、経済産業省などは事故防止に注意するよう呼びかけている。換気の徹底やガス機器の点検、COを検知する業務用換気警報器の設置などの対策を求めている。
経済産業省、原子力安全・保安院によると、交流施設での事故は今年2月21日、そば打ち体験の学習中にCO中毒事故が発生。高校生14人と教員4人、そば打ち体験の講師1人が病院で治療を受けた。詳細は調査中だが、麺ゆで器の排気口がふさがれていたことから、不完全燃焼を起こしたものとみられている。
COの特徴は無色、無臭で感知しにくく、毒性が強いこと。少量でも吸い込むと手足がしびれて動けなくなることがあり、死亡を伴う重大な事故となるケースもある。
重大事故発生の原因には、(1)業務用ガス器具などの大型器具は酸素を多く必要とし、また、安全装置が付いていないものが多く、不完全燃焼に気付きにくい(2)ガスや炭火を使用する際に換気をしない(3)ガス器具や換気設備のメンテナンスの不足──などが挙げられる。
また、厨房などにエアコンが設置されるようになり、換気を怠るケースが増え、夏季の事故も目立ってきている。
CO中毒による重大事故では、2009年、山口県内の旅館で修学旅行中の死亡事故も発生している。08年以降、業務用厨房の事故件数が増加しており、一般住宅の事故件数を上回っている。
業務用施設での事故の多発を受け、関係省庁では、ガス機器を使用する際の換気にかかわる留意事項の確認、業務用換気警報器の設置、ガス機器や給排気設備の点検を呼びかけている。