経済産業省・資源エネルギー庁は5日、地熱発電など地熱の活用に対する住民の理解関心を高める「地熱開発理解促進関連事業」の一次公募の結果を公表した。新潟県十日町市の松之山温泉バイナリー発電の熱水を利用した足湯設備・食品加工場の整備、富山県の宇奈月温泉での勉強会と調査など、全国25件の事業を対象とした。
各事業には同省から補助金が支給される。補助金総額は28億円。また、同庁は同日から9月11日までの期間、二次公募を実施している。
国は再生可能エネルギーの一つとして、地熱利用を推進している。地熱発電の一種である温泉発電は、設備が比較的小規模で済み、旅館や中小企業が独自に事業化できる。一方で、温泉事業者の一部には、湯量や湯温の変化が生じかねないとして根強い反対の動きもある。
同省は、地熱利用促進の事業に対し支援を行うことで、地域の理解を深め、地熱資源開発の促進につなげることを目指している。
25件の事業は、北海道から鹿児島県まで広く分散している。内容は、勉強会や見学会といった「ソフト支援」、地熱発電で利用した熱水を二次利用する「ハード支援」に分かれている。
採択された事業のうち、特徴的なものとして、ビニールハウス栽培への熱水利用(北海道弟子屈町、、岩手県雫石町など)、温室・養殖・バイオマス事業の検討(東京都八丈町)、熱水の農業利用と観光・教育資源としての活用(大分県別府市)などが挙げられる。