群馬県の観光関係5団体が再編・統合され、4月1日に「財団法人群馬県観光国際協会」(県の認可団体)として新たなスタートを切ることになった。設立形態や事業目的の異なる財団法人や社団法人、協同組合の統合は全国的にも珍しい。旅行形態の変化や市町村合併による会員の減少などが背景にあるが、公益法人の抜本改革(08年4月施行)も視野に入れている。県では”観光情報の一元化”会費の負担減額が図れるなどのメリットがあると見ている。新団体の役員は3月28日に開く定款変更理事会で決まる。
この5団体は、県国際交流協会(小寺弘之理事長=知事)、県観光開発公社(寺澤康行理事長)、県観光協会(宮崎謹一会長)、県旅館ホテル生活衛生同業組合(入内島一崇理事長)、県温泉旅館協同組合(田村亮一理事長)。
今月8日、5団体のトップらが集まり、合併協定を締結した。協定書によると、新団体は国際交流協会が母体となって発足する。これに伴い、観光開発公社、観光協会、温泉旅館協同組合は3月31日付で解散。旅館ホテル生活衛生同業組合については厚生労働省が公衆衛生指導を目的に、各県に1つの設置を求めている団体のため解散はせず、「1会員として加盟する」(県観光局観光国際課)ことになった。
新団体の基本財産は約9億円。理事22人、幹事2人、評議員26人の枠が決まっている。170~180の組織が会員として参加する見込みだ。また、事務局は前橋市の群馬会館に置き、12~13人体制で運営する。
県によると、再編・統合の目的は(1)「ウェルカムトゥぐんま」の積極的な発信を行うための民間側の受け皿整備(2)分散している力を結集させ、強固な団体を作る(3)観光局設置の趣旨を踏まえた県と関係団体の役割分担の明確化ムムなど。
観光を取り巻く環境が大きく変わり、団体サイドについては官からの補助金の減少による財源不足や事業の縮小、市町村合併による会員団体の減少などがあり、「今まで以上の事業ができなくなりつつある」(同)のが実情。
新団体は財政や業務の効率化、観光の窓口一本化などを図り、県が推進する観光施策をバックアップする。