国交省、国際線増便へ
国土交通省は8日、羽田空港の発着枠の増加に向けて、東京都心部の上空を通過する新しい飛行ルートの運用を来年3月29日に開始すると発表した。早朝・深夜を除く国際線の発着回数は現在の年間最大6万回から最大9万9千回に増える。来年の夏ダイヤでの増便が見込まれ、東京オリンピック・パラリンピックの円滑な開催、訪日外国人旅行者の誘客拡大につなげる。
羽田空港では、風向きによって異なる飛行ルートを運用している。新しい飛行ルートは国際線の運航ニーズが高い時間帯に限って運用する予定。他の時間帯はこれまでと同じ飛行ルートを運用する。
新ルートの運用に当たって国交省は、関係自治体との協議を重ね、住民説明会などで情報提供に努めてきた。騒音や落下物などへの懸念が示されたことから、降下時の飛行高度を高めに設定したり、落下物の防止対策の基準を強化したりするなど、各種の対策を講じていく。
石井啓一国交相は8日の会見で、「首都圏や日本の国際競争力の強化、地域と海外の交流による地域活性化、訪日外国人旅行者のさらなる受け入れのためには、羽田空港の機能強化が必要不可欠」と述べるとともに、関係自治体などから要望された騒音・落下物対策などに注力する考えを強調した。